脱亜論

K―POPやドラマ・コスメなど、いわゆる韓流文化の人気は、日本の若者の進路にも影響を与えている。

福岡では、韓国の大学14校が日本人向けに留学説明会を開いた。
新しい交流が、もうすでに生まれている。

■韓国から14大学が参加した「留学博覧会」

RKB　早瀬川賢也 記者
「博多港国際ターミナルです。釜山地域の大学が、留学を希望する人たちに説明会を開いています」

ゴールデンウィーク明けの日曜日。
福岡市で「韓国留学博覧会」が開かれた。
韓国政府などが主催したもので、福岡市の姉妹都市・釜山などにある14の大学の関係者が参加した。

これまで東京や大阪などでも行われたが、福岡での開催は今回が初めて。

在福岡韓国総領事館の総領事も会場を訪れた。

在福岡韓国総領事館　朴建燦 総領事
「九州地方は地理的、経済的、歴史的にも韓国と最も近い所です。古来より人的交流、経済交流、文化交流がどの地域よりも盛んに行われてきました」

各大学のブースでは、留学に関心がある人が熱心に耳を傾けている。話を聞いてみた。

韓国の大学関係者
「1年生の時は韓国語を主に習って、2年生からは自分が行きたい学科を選択するようになる学部ができるそうです」
参加した人「すごい」

参加者の多くが若い女性。
将来を見据え、具体的に質問している。

参加した人
「外国で化粧品を学んで将来別の選択肢に行くっていうのは大丈夫なんですか?」

韓国の大学関係者
「博士号を取ったら奨学金もあるし就職にも、もちろん有利です」

■韓国に留学する日本人　コロナ禍前を上回る

2023年度、日本の教育機関に在籍し韓国で留学を始めた日本人学生の数は8384人。
コロナ禍前を上回った。

現地の学校に直接入学する日本人学生もいるため、韓国の大学で学ぶ日本人学生の数は、さらに多いとみられる。

会場には、留学ではなく、「韓国の大学に入学する」ことに関心を持つ生徒や保護者も参加していた。

高校2年生
「デザイン系の大学に行けたら良いなと思って。近いし日本とも」

中学2年生の娘をもつ母親
「近いですし、私たちも気軽に行けるじゃないですか、釜山って」

釜山大学の関係者
「韓国語の先生になりたいという学生もいて、どうやって入学するのかという相談が多かったです」

■なぜ韓国の大学に行きたいのか

日本の若者たちは、なぜ韓国の大学をめざすのか。
参加者に聞いてみると、留学に興味を持ったきっかけは、K-POPや韓流ドラマと答える人が多かった。

高校3年生
「アイドルとかドラマです。何となく言っていることが分かるようになったんですよ。それで、もっと話したいなって、ペラペラに」

高校2年生
「好きなアイドルのコンテンツをずっと見続けて勉強したって感じなので。アイドルグループのSEVENTEENが大好きです」

政府が去年実施した世論調査では、「韓国に親しみを感じる」と答えた10代と20代は7割を超えていて、他の世代より多くなっている。

「韓流」人気などで韓国に対する好感度が高まり、留学への関心につながっているとみられる。

■若い人の交流、新しい歴史に

韓国は12日、大統領選挙の本格的な選挙戦に突入した。

韓国の新たなリーダーが日韓関係にどのような影響をもたらすのか注目されるが、留学博覧会の主催者側からはこんな意見も聞かれた。

福岡韓国教育院　金基榮 院長
「若い人たちがお互いに交流することによって、良い方向で新しい歴史を作っていくのが大事かなと思いますので、これからの若い人たちには期待しております」

日本と韓国は6月に、国交正常化から60年の節目を迎える。若者たちの交流が両国の理解を深め安定した関係を築くためのカギとなるかもしれない。

【画像で見る】「留学博覧会」　韓国の大学をめざす日本の若者たち







RKB毎日放送 2025年5月13日(火) 17:54
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1910637?display=1