脱亜論

▲「独島アシカ絶滅史」296ページ。1万5千ウォン.


▲独島（ドクト）アシカ壁画.[聯合ニュース資料写真]

(ソウル=聯合ニュース)パク・サンヒョン記者=「オットセイに似ているがもう少し大きい。性質はのろくて鈍くて常に岩の上で熟眠する。(中略)多い時は何万匹にもなる。視察当時は千匹ほどであった。」

一世紀前の1906年、ある日本人が独島（ドクト、日本名：竹島）を見て回った後に残した記録だ。この記録で説明される動物は「アシカ」だ。アシカは韓半島と日本列島、サハリンに囲まれた'環東海'に棲息したアシカを意味する。環東海文明史について研究してきたチュ・カンヒョン済州（チェジュ）大客員教授は新刊'独島アシカ絶滅史'で独島の実質的主人だったアシカがわずか数十年で消えた過程を追跡する。アシカの目から眺めた独島歴史書物だ。

アシカは日本だけでなく我が国の古文献にも登場する。19世紀の学者、李圭景（イ・ギョギョン）が書いた「五洲衍文長箋散稿」の鬱陵島（ウルルンド）に関する内容の中には「海中に大きな獣がいて顔付きは牛と同じで瞳は赤く角がない。たいてい人に会えば逃げて水の中に入る」という文章がある。

朝鮮領土の独島でアシカは平和に生きていた。朝廷は鬱陵島と独島に人を常駐させず、私たちの先祖はアシカをハンティングしなかったからだ。しかし日本人は違った。独島での漁獲を虎視耽々と狙い、17世紀には独島へ何回も越えてきてアワビを掘ったりアシカを捕まえて行った。

そうするうちに1690年代、朝鮮人と日本人が独島で会う事件が起きる。その後、安龍福（アン・ヨンボク）は日本に渡って独島が朝鮮領土であることを再確認した。しかし、日本、正確には東海に面した島根県と鳥取県は独島に対する未練を捨てることができなかった。特に島根県近海に浮いている島で、独島から約160キロ離れた隠岐諸島の人々は独島をなくした土地と感じた。

隠岐諸島を現地調査した著者はこちらの人々の独島認識を「心性史」的観点から解きほぐす。隠岐諸島の人々の集団的感性地図には独島、すなわち竹島が自分たちの領土という信頼があるということだ。理性的判断とは関係なく「竹島は私たちのものでなければならない」という当然の事という感性が敷かれているという分析だ。

永らくこのような考えてきた隠岐諸島の人々は日帝が韓半島を侵略して独島を島根県に編入するとすぐに自分たちの生活圏域に独島を含ませた。これを契機に隠岐諸島の人々は独島のアシカを片っ端から捕らえた。隠岐の人がたてた「竹島漁猟合資会社」が1904年から10年間、独島で捉えたアシカは1万4千余匹に達した。

日本漁船に乗せられていったアシカの革はカバンや帽子のつばを作るのに使われた。また、奥歯は指輪の材料に、身体の脂肪は油に使われた。隠岐の人々の野心は結局、アシカの絶滅を引き起こした。竹島漁猟合資会社のアシカ漁獲量は1935年頃は年平均20～50匹に急減し、1940年に入ってからは消滅段階に入った。

日本人たちは20世紀初期に活発だったアシカ猟が独島領有権の証拠と主張するが、アシカ捕獲活動の実状を見れば人間の傲慢さが表われた惨状に過ぎないというのが著者の考えだ。彼は「アシカ絶滅は独島問題で副次的なものではなく、もうひとつの本質」とし、「日本は独島で行った大量虐殺劇について反省文を出さなければならない」と強調する。

内容が興味深く多様な資料を豊富にのせたが、文献を重複して引用した事例が多く、構成が多少散漫だという感じを与える。またなじみがうすい地名が多く出るが、正確な位置が分かる地図がない点が惜しい。

出版社西海（ソヘ）文集が出したラメール叢書の1冊だ。'ラメール'はフランス語で海を意味する。

ソース：聯合ニュース(韓国語) "日帝の独島（ドクト）アシカ漁は領有権ではなく野心の証拠"
http://www.yonhapnews.co.kr/bulletin/2016/11/27/0200000000AKR20161127019800005.HTML

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